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今更聞けない!デザインに適した紙の種類と「A判」「B判」の由来

チラシやパンフレット、カタログや名刺など……世の中にはさまざまなサイズの印刷物がたくさんありますよね。
皆さんも印刷をお願いする時、どんな種類の紙・厚さにしようか迷うこと、ありませんか?
紙によって見え方や感じ方は変わってくるものです。
そこで今回は、用途やデザインに適した紙と、よく使われるサイズをご紹介していきたいと思います。

1.世の中の紙媒体の「サイズ」を理解しよう

まず、私たちが普段使っている紙がどんなサイズなのかを確認しましょう。
世間一般で使われている紙には「A判」「B判」がの2種類があり、そのなかでも「A4」「B4」「B5」サイズが最もポピュラーといえるでしょう。
学校の宿題などで配布されるプリント、オフィスの会議で必要な資料、新聞折込のスーパーなどのチラシや、お店・サロンなどに置いてあるフライヤー・リーフレット、ギフトカタログなど……誰もが一度は必ず目にします。
旅館や病院、区役所などに置いてある三つ折りのパンフレットなどもそうです。紙を開いてみるとそのほとんどが「A4サイズ」になります。

「A判」は国際規格。コピー用紙の標準規格は「A4」サイズ

面積が1㎡(1平方メートル)の長方形が「A0」となっており、その巨大な「A0」サイズの紙を折った回数のサイズが「A1」「A2」「A3」「A4」「A5」と小さくなっていくのです。
つまり「A0」を1回折ると「A1(A0の半分のサイズ)」、2回折ると「A2(A1の半分のサイズ)」……という風に、数字が大きくなるにつれてサイズが小さくなっていきます。
新聞紙を広げてみると一目瞭然ですね。家のポストに投函される新聞紙のサイズが「A4」に該当します。
このように折っても折っても「必ず半分になる」サイズなので、大量に印刷しても紙を無駄なく均等に断裁できるんです。
つまり、紙のロスがほとんど出ないということですね。

「A判」「B判」の由来は?

「A判」とは、ドイツの物理学者・オズワルド氏が発案したとされる規格で、ISO国際規格サイズに定められています。
もともと海外で使われていた「A判」の紙が、昔日本で主流だった「菊判(636mm×939mm)」という紙のサイズに最も近かったようです。
(菊判は新聞紙に使うために、明治時代に日本がアメリカから輸入した紙のこと)
菊判のサイズにほぼ合っていたので、ドイツの規格である「A判」をそのまま日本に取り入れたのが、今の「A判」の由来となっています。

「B判」は日本で生まれた国内規格のサイズ

「A判」が元々海外で使われていたのに対して、「B判」は日本で開発されたサイズになります(国際規格ではなく国内規格)。
面積が1.5㎡(1.5平方メートル)の長方形が「B0」にあたります。これも「A判」と同様、折ったら半分のサイズになります。
ちなみにこの「B判」は日本・中国・台湾でしか使われていないので、もし海外の案件を受けた場合などは「A判」で作らなければならないことも覚えておきましょう。

一般的な印刷物で使われるサイズと用途

「A1」「B1」「A2」「B2」……大判ポスター・壁掛けカレンダーなど(イベントのポスターなどはだいたいこれらのサイズに該当します)
「A4」「B4」……会社案内パンフレット、学校案内のパンフレット、病院・介護施設等の3つ折リーフレット、おせち・クリスマスケーキ予約パンフレット、ギフトカタログなどたくさんあります。最もポピュラーで見やすいサイズです。
「A5」「B5」……ミニサイズのチラシ、同人誌など、つい手に取ってしまうようなコンパクトサイズで、ハンドブックとして旅行先で持ち歩いたりするのに適したサイズです。


2.紙の種類を知る

次に、紙の種類と作りたいデザインや与えたい印象などを考えましょう。
新聞紙に折り込まれているチラシや雑誌の表紙などは、つるつるとした紙に印刷されているものが多いです。
一方単行本(小説や漫画)の中身は、光沢のないマットな質感のものが多いですよね。
使う用途、見せ方、印象などによって、紙の種類選びはとても重要になってきます。

以下の種類が世の中で主に使われる種類の紙です。

コート紙

一般的に多く使われているツヤがある紙。新聞に折り込まれている、つるつるとしたチラシがこの紙です。子どもがよく落書きをするけど、なかなかインクがつかない……。こんな経験、ありますよね?コート紙の表面には「コート剤」でコーティングがされているため、ペンなどでの描画には向いていないのです。

マットコート紙

コート紙よりも光沢が少なく、しっとりすべすべとした心地よい肌触りの紙です。診察券やポイントカードなど、小ぶりで読みやすく、落ち着いた印象が欲しい時などはこの紙をお勧めします。

キャストコート紙(ホワイトミラー紙)

紙の表面に強い光沢があり、光を当てると反射する紙です。裏面が上質紙と、コート紙のようにつるっとした仕上がりの紙があり、弊社が運営しているGOGO診察券の紙は前者の紙を使用しております。
表面はデザインが綺麗に印刷され、裏面はボールペンや鉛筆で文字がしっかり書ける「ホワイトミラー上質紙」を特におすすめしています。

アートポスト

コート紙同様表面にコーティングがされている紙のため、印刷した時の発色や色味がとても綺麗です。雑誌の表紙やトレーディングカードなどによく使われています。これも光を当てると反射する綺麗な紙です。

アラベール

コート紙に比べてインクが滲みやすい紙です。印刷時の発色がコート紙より弱くなるので、やさしい印象や安心感を与えることができます。

聞いたことがある紙もあったのではないでしょうか。
作るデザインの印象や内容に合わせて紙を選ぶと良いかもしれません。

上記以外でも「上質紙」や「ケント紙」など、光沢がなくすべすべとしていない紙もあります。
弊社が運営する「GOGO診察券」では、無料サンプルもご用意しておりますので、ご気軽にお問い合わせくださいね。

3.紙の厚さを知る

紙には種類の他に「厚さ」というものがあります。
「コート90kg」「アラベール135kg」などと表記されることが多いですが、四六全判の紙(A4やB4にカットされていない大きな紙)を1,000枚重ねた時の重さ(厚さ)のことを「00kg」と表します。
なので、数字が小さい方が薄く大きい方が厚いということになりますね。

一般的な厚さとしては以下の通りです。

53kg・58kg ……新聞に折り込まれているスーパーのチラシ、家電量販店やリフォームのチラシなどがかなり薄手の紙なります。
73kg……コピー用紙やメモ用紙・ノートなどがこの厚さ。こちらもペラものの印刷に向いています。
90kg……弊社でも多く取り扱っている紙の一つです。ポスティングされるチラシや区役所・市役所などに置いてあるテイクフリーのチラシなどはこの厚さの紙であることが多いです。
110kg・135kg……会社案内や病院案内のパンフレット、ポストカードなどにはこの辺りの厚さの紙が多く使われています。厚ければ厚いほど、より信頼感や高級感が出せます。
180kg・220kg……紙が厚く硬めなので、分厚いカタログなどの印刷にはあまり向いていません。弊社の「GOGO診察券」でもこの厚さの紙で診察券のご注文をお受けしております。他にも名刺やポイントカードにも良い厚さですね。

もちろん上記以外の厚さもありますが、ここでは一般的に印刷会社などに記載されている厚さを載せています。

4.厚さ、種類、印刷部数によって値段は異なる

ここまでで紙の種類や厚さを書いてきましたが、印刷する枚数ではどうなるのか?というのが一番気になるところですよね。
ここは理解している方も多いかとは思いますが、印刷枚数が多い方が紙の単価が下がりますので価格を抑えることができます。
しかし、ただ大量に発注したからといって安くなるというわけでもありません。あまり使われていない紙やサイズを選ぶと、一般的に使われている紙と比べ高くなってしまうことも多々あります。

同じ枚数で注文しても、よく使われる紙であれば一度に大量の紙を仕入れることができるため、仕入れ値は安くなります。
その応用で、あまり使われていない紙や厚さを選ぶと、仕入れる紙の量が少ないため仕入れ値が高くなり、逆に単価が高くなってしまうのです。

一般的によく出回っている紙はチラシなどには「コート90kg・110kg」「マットコート90kg・110kg」、パンフレットやリーフレットなどには「マットコート110kg・130kg」あたりが一般的ではないでしょうか。
弊社でもリーフレットやチラシのご依頼をいただくときは「A4サイズ」でこの厚さが特に多いです。
記念誌や記念アルバムなど、写真をメインに綺麗に印刷したい時などは、多少高くなったとしても綺麗な紙を選ぶ方が、味が出て良いものが仕上がると思います。使用用途に応じて、お好きな紙を選ぶといいですね。

さいごに.

いかがだったでしょうか?
簡単のようで意外と悩む部分でもあり、お店や企業様の印象にも関わる大切な内容だったのではないでしょうか。
私も旅行に行ったりするとついパンフレットなど手に取ってしまいますが、その紙質などによっても「お金をかけてしっかり宣伝している会社(お店)だなあ」と考えることが多いです。これが職業病なのですね。


弊社ではチラシや折パンフレット、リーフレット、web制作など多岐に渡りデザイン制作を承っております。
お客様のお力になれるよう、持てる力を注いでいきたいと思っております。

それではまた次回のブログでお会いしましょう。