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【レンズを変えるだけで写真がプロ級に!?】プロカメラマンが教えるレンズ選び

一眼レフカメラを購入する際に、必ず迷ってしまうのがレンズ選び。写真が写せればなんでもいいや!そう思われる方もいるかもしれません。確かに、最初はそれで良いのかもしれませんが、撮影の経験を重ね、写真やカメラの知識をつけていくたびに、新しいレンズが欲しくなることは間違いないでしょう。

レンズ選びはカメラ選びよりも重要だと個人的には思っており、自分の撮影したいものや撮影スタイルに合わせてレンズ選びをすることが失敗しないコツです。

例えば、野鳥などの撮影をしたいから一眼レフカメラを購入したのに、適切なレンズがはまっていないため、「もっと大きく撮りたかったのに、目で見るより小さく写ってしまった」なんてこともよくあります。

一眼レフカメラ初心者がレンズ選びに失敗しないように、それぞれのレンズの種類や特徴についてお話ししていきます。

レンズの役割とは?

一眼レフカメラを使用する時は、必ずレンズと組み合わせて撮影する必要があります。レンズが装着されていないと、撮影することができません。

カメラのレンズは撮影時における画角の広さや焦点距離、ボケ味や解像力(画質)を決める上でとても重要な役割を果たしています。

よいカメラを選ぶことも重要ですが、同じくらいかそれ以上にレンズ選びをすることが大事だと個人的には思います。

大きく分けるとレンズは3種類

一眼レフカメラのレンズは大きく分けると3種類です。

ズームレンズ

最も一般的で使いやすいレンズが「ズームレンズ」です。
その名の通りズームをすることができるレンズで、広角から望遠までの画角に対応できる万能タイプのレンズです。

単焦点レンズ

画角を自由に操れるズームレンズとは対照的なレンズで、画角が固定されておりズームができないのが「単焦点レンズ」です。

ズームレンズにはズームできる画角の幅が焦点距離によって16-180mmなどの文字で表されますが、単焦点レンズの場合はズームできる焦点距離の幅がないため、85mmなどの単一数値で表されます。

単焦点レンズは、レンズ自体の構造がシンプルであるため高画質を実現するだけでなく、ボケ味が綺麗で優れた描写を写し出せるというメリットがあります。

背景や被写体より前にあるものが綺麗にボケて、いわゆるプロっぽい写真を写すためには単焦点レンズが必須でしょう。

高倍率ズームレンズ

「高倍率ズームレンズ」は、ズームできる幅を通常のズームレンズより大きく広げたレンズとして1本であらゆる画角に対応できる万能レンズです。

利便性が非常に高く使い勝手は良いのですが、画質や性能面に関しては、通常のズームレンズや単焦点レンズと比較すると残念ながら劣ります。ボケ味や画質を重要視している方にはお勧めしないレンズです。

画角の違う3種類のレンズ

レンズ自体の構造における違いをご説明しましたが、ここからは画角・焦点距離における種類を解説していきます。

標準レンズ

標準レンズとは主に35mm換算で24mmから70mm程度を撮影できるレンズです。
日常の撮影シーンにおいて最も使う頻度の高いレンズです。人間の見た目と似た画角で撮影できるためフレーミングがしやすく撮影しやすいというのが特徴で、ポートレイトやスナップ、風景写真などオールマイティに使えるレンズと言えます。

標準レンズの主な特徴は以下の通りです。

・撮影しやすい画角である。
・開放F値が非常に明るいものが多い。

旅行に行く時などは、レンズをいくつか持っていくとなるとそれなりの重量になってしまいますので、標準レンズ1本のみを持っていくと良いでしょう。また、そこにある物を見た目のまま綺麗に写したい場合は標準レンズで撮影することをお勧めします。

広角レンズ

広角レンズとは主に35mm換算で12mmから20mm程度を撮影できるレンズです。
人間の目よりも広い範囲を写すことができるため、広がりのあるダイナミックな写真に仕上げることができます。

広角レンズの主な特徴は以下の通りです。

・より広い範囲を撮影できる。
立体感や遠近感を強調できる。
・ピントが合う範囲が広い(被写界深度が深い)
※被写界深度とはピントを合わせた部分の前後のピントが合う範囲のこと。

広角レンズで撮影すると四隅が引っ張られたように歪んでしまうというデメリットもあります。それは広角レンズは丸みを帯びた凸レンズを使用しているからです。

しかし、逆にそのデメリットを利用しダイナミックな写真に仕上げることも可能です。
例えば、ポートレート撮影をするときにモデルの足を長く見せたり、高層マンションを下から上に撮影した場合、下側が広がって上側がすぼまるので、遠近感が強調されダイナミック見せることもできます。

【この撮影シーンで使える!】

ここからは撮影シーンに合わせた広角レンズの活用術をご紹介いたします。
広角レンズをどのようなシーンで使うべきか分からない方も参考にしていただければと思います。

・風景の撮影
広角レンズが最も使えるシーンは「風景」を撮影するシーンです。
目に見える範囲より広く写すことができるため、非現実的要素も含んだ表現をすることができます。

・建物の撮影
広角レンズは、室内を広く写したい時にも効果的に使うことができます。
建築物を撮影する際には広角レンズは必須のレンズと言えるでしょう。

・星空の撮影
一眼レフカメラだからこそ撮影できるシーンとして「星空撮影」があります。
できる限り広い範囲を写すことで、多くの星を画角に収めることができるため、星空撮影において広角レンズを使用することは非常におすすめです。

・狭いところでの撮影
被写体との距離がとれない状況下では広角レンズを使用すると良いでしょう。

望遠レンズ

望遠レンズとは主に35mm換算で70mm以上を撮影できるレンズです。
遠くを撮影することに特化したレンズですので、これまでに紹介した広角、標準レンズより使うシーンは限られると思います。しかし、子供の運動会や発表会などのイベントにおいて、近距離で撮影できない場合は望遠レンズが大活躍します。

望遠レンズの主な特徴は以下の通りです。

・遠くのものを撮影することができる。
・圧縮効果で迫力を出すことができる。
・画角が狭いため背景をすっきりとさせることができる。
・背景がボケやすい。

遠くのものを撮影する際は望遠レンズは必須です。また、背景をボカした撮影をしたい場合は望遠レンズを使うだけで簡単にボカすことができます。近距離のものを撮ることはできないので広い場所や屋外での撮影をよく行う場合はお勧めのレンズです。

この撮影シーンで使える!】

ここからは撮影シーンに合わせた望遠レンズの活用術をご紹介いたします。
望遠レンズをどのようなシーンで使うべきか分からない方も参考にしていただければと思います。

・運動会や発表会の撮影
子供の運動会や発表会を撮影する時は、近づいて撮影することはできないですよね。そのような時に遠くからでも撮影することができる望遠レンズが必要になってくるでしょう。

・被写体以外のものをボカしたい時の撮影
被写体にフォーカスし、綺麗に周りがボケている写真は望遠レンズだと簡単に撮影できます。ただし、被写体との距離をとる必要があるため狭い室内等だと望遠レンズでの撮影は難しいでしょう。

・ポートレートの撮影
ポートレートの撮影をする際に、気をつけなければいけないのが「歪まないレンズ」を選択すること。なぜなら歪むとその人がその人でなくなってしまうからです。「歪まないレンズ」は基本的には中望遠以上(焦点距離85mm以上)のレンズとなってしまいます。

プロ級の写真を撮れる神レンズ【単焦点50mm】

私が一眼レフ初心者にオススメするレンズは単焦点50mmのレンズです。

多くのレンズラインナップのなかで写真撮影の基本を体感できるレンズだと思います。なぜなら、被写体と距離を多くとれば広角風に、逆に寄ることで望遠風に撮影でき、さまざまな撮影スタイルに対応できる魅力があるからです。

一方で、レンズ特有の個性に縛られることなく、自分でどう撮ったらいいのか、程良い距離感で模索できます。撮影シーンによっては不便さを感じることもあるかもしれませんが、自由に撮影を行なうことが可能で、構造的にシンプルですので、軽量かつコンパクトでありながら、開放F値の小さな優れたレンズが多いのも特徴。

価格も安いものなら1万円台で購入することもでき、このレンズで撮影するだけでプロっぽいダイナミックなボケ味のある写真を撮ることができます。

まとめ

これまで一眼レフカメラのレンズの選び方や特徴をお話しさせていただきました。まだカメラやレンズを購入したことがない初心者の方には、まずは標準レンズを購入することをお勧めします。一般的に撮影しやすいと言われている標準レンズで撮影に慣れ、レンズの特徴や画角をある程度理解した後に、広角レンズや望遠レンズなどを購入していくと良いのではないでしょうか。

また、好きな写真家やカメラマンの写真がどのレンズで撮影されているのかを調べ、同じレンズを購入するのも良いかもしれません。真似をして練習していくことも大切です。

画角や焦点距離を理解することで、カメラやレンズ選びの際に用途に合わせた選択がしやすくなると思うので、ぜひいろんなレンズについてチェックしてみてください。